平成24年第2回定例会一般質問全文

平成24年中野区議会第2回定例会一般質問事項(平成24年6月7日)

平成24年第2回定例会に当たりまして、自由民主党議員団の立場から一般質問をさせていただきした。質問の内容は以下の3項目になります。

  1. 中野区管理職員の育成について
  2. 中野区木造密集地域における隅切りの整備促進について
  3. 中野区立中学校の武道必修化について

1 中野区管理職員の育成について

今や中野区は職員2000名体制を目指して組織作りを着々と進め、職員数削減と共にここ数年、人件費も大幅に縮小して来ています。しかし一方で、長引く不況や震災の影響等により、未収金の問題や新たな生活保護者の増加により、これまでの人件費削減以上に扶助費などの義務的経費が毎年増え続けて来ており財政的にも圧迫しつつあります。私はこうした現象傾向は社会状況の変化に対し区としての対策が追い付いておらず、対応がうまく回転していないのではないかと思っております。こうした時期だからこそ、区職員の政策対応能力が必須であり、取り分け、管理職としての強いリーダーシップと合わせて、対策を立て実行して行く能力の必要性を感じています。

5月22日刊行の都政新報によれば、中野区は、50歳未満、管理職経験5年以内の職員や管理職候補者で政策研究に意欲のある人約20人を対象に政策形成力や管理職の人材育成を目的とした「経営幹部育成塾を立ち上げ、来年1月迄の間、月1回のペースで塾を開催して行く」との報道がありました。そして第1回4月20日の経営幹部育成塾では、塾長である田中区長自らが管理職の必須の3要素として、①本気で仕事をする熱意②資料を集め分析し、科学的に解決策を構築出来る政策能力③相手を洞察し、説得出来る人間力——を挙げて直接話をされたとも聞いております。

区でも今後は新しい試みをどしどし取り入れて行くことは時代に合った強い組織を作る上で重要かつ大切なことと私も思います。しかし、こうした強い政策能力を持った管理職育成をいくら目指しても、一方で他区と比べても管理職になろうという意欲を持つ職員が中野区は少なく、管理職試験を受ける人が毎年一定規模でしかないという現実をどう考えているのでしょうか。例えば過去3年間の中野区における管理職選考実施状況をみても、

23区管理職選考実施状況(Ⅰ類Ⅱ類)

212.1%3.7%222.8%3.5%

年度 中野区 特別区平均
23 2.3% 3.3%

① この統計からみても、中野区の受験率がここ数年2%代と低迷しているのはどういうことなのでしょうか。これでは強い組織を作る上でも、管理職の計画的な育成が立てられないのではないでしょうか。見解をお尋ねします。

② また、特別区平均では、管理職試験の受験率はここ数年3%代になっていますが、中野区が低いのはどうしてとお考えでしょうか。

③ さらに中野区の管理職の現況で男女比を見ますと、部長(級11人中女性1人、統轄副参事19人中女性1人、副参事48人中女性11人、合計78人中女性13人、率として16・7%と女性管理職が極端に少ないことについてはどのようにお考えでしょうか。お聞かせ下さい。

管理職試験を受験しない理由は個人的にはいろいろあると思われますが、例えば子育てに忙しい…。責任が重くなり、上司と部下の間に挟まれサンドイッチマンになって自己主張が出来にくくなる・・・。給与を含めた処遇が役割に見合っていない等、人によっていろいろな理由があると思います。

私はその中でも特に、管理職としてのイキガイ、ヤリガイ面での価値観、言い換えれば管理職に対し魅力を感じないのではないかと思います。例えば、給与面での処遇的魅力の欠如の例として(人事課資料による)45歳の課長級Aさんと50歳の総括係長Bさんの給料を比較した場合(扶養手当・妻子2人。超勤手当・月20時間)、年収で45歳課長Aさんが約1014万円に対し50歳総括係長Bさんは約939万円と、その差額は年間△75万円です。月額にすればその差はたったの6万2500円です。さらに基本給月額ではたった3700円しか違いがないのです。しかし一方では、管理職としての役割や責任だけは負わされるのです。

更に、課長になれば一般職員の超勤手当はなくなり、一括して超勤手当も含めた分として管理職手当が支給されます。しかも、20時間残業をしたB総括係長平均月額7万7980円と比較した場合、現在の管理職手当の額は9万1100円ですので、月に△たった約1万3000円の差だけなのです。さらに仮に50歳以上の総括係長が月20時間以上残業をした場合は、管理職手当月額9万1100円を超えてしまいます。

④ この要因は給与体系自体が年功そのものだからと思われます。本当にこれで良いのでしょうか。仮に同じ職場に、A課長の下にB係長が配属されたとしたら、指示・命令も含め上司として部下を育成する上でもやりづらいと思います。課長として本当にこの金額の処遇差でヤル気が出るものでしょうか。お尋ねします。

管理職としてのステイタス観、価値観、魅力等を処遇面も含めて分析する必要があるのではないでしょうか。管理職をいかに実りある職位として行くか・・・。管理職としての単なるルーチンワークの評価をするのではなく、部下を育成し、目標を達成して行く喜びを感じる管理職作りこそ、強い組織が出来てくるのではないでしょうか。

将来に向かって、育成とはどうあるべきかを常に考えて行動する上司・・・例えば、いくら成績が優秀な管理職であっても、その職場からは管理職試験にここ数年全くチャレンジしてない点についても指摘をし、部下育成・管理職育成等組織を強くする為の必要性を求めることも重要なのではないでしょうか。

⑤以上のような処遇での問題や受験率が低迷していることに対して、中野区として今後どのような対策を打ち立てて行くつもりなのか区長としてのお考えをお伺いし、この項の質問を終わります。

2 中野区木造密集地域における隅切りの整備促進について

中野区内では、幅が4メートル未満の狭あいな道路、すなわち建築基準法42条2項道路が木造密集地域を中心に非常に多く存在しており、この改善が災害時の安全確保に向けた最大の課題であることは以前から同僚議員からも度々指摘をされております。

中野区では昭和59年度より、この42条2項道路を道路中心線から2mまで広げて道路の幅を4mに整備する、と言う拡幅整備事業を開始しました。当時、23区の中でも最初にこのような事業を開始した区の一つでした。以後、現在に至る約30年弱、この事業は継続されており、事業開始した昭和59年の42条2項道路の総延長が約300kmであったものが、平成22年度末には約230kmにまで減少しているとのことですが、それでも現在の区内の道路総延長に占める42条2項道路の割合は45%にも上ります(※平成24年第1回定例会予算特別委員会総括質疑 平山議員への答弁による)。今後もこのままのペースを保ったままで整備を継続するのであれば、このままでは区内の42条2項道路の拡幅整備がすべて完了するには気の遠くなるような年月がかかると思います。

① そこで、中野区は、後退部分の管理について、例えば物を置かない等条件を明文化しているのでしょうか。さらに、固定資産税などの税制面ではどうなっているのでしょうか。また他区の状況はどうなのでしょうか。お尋ねします。

一方、42条2項道路の拡幅整備と同様に重要なのが隅切りの整備です。いくら道幅を広げても、消防自動車等の緊急用車両は隅切りが無い道路では曲がることが出来ず、道路を広げた効果が全く活かされません。42条2項道路の拡幅整備と隅切りの整備は、同時に行わなければ全く意味がありません。

ところが、この隅切りについて、重大な問題があると私は常に思っております。42条2項道路を幅4mまで広げること、すなわち道路中心線から2mまで敷地境界を後退することについては、敷地のうち道路として後退する部分が建築基準法上、道路の区域とされており、建築物や塀などの築造が法律上禁止されていることから、違反した者に対しては行政による強制力のある指導が行われます。

しかし、隅切り部分については、建築基準法上の道路として位置づけられていません。隅切り部分はあくまでも敷地の一部とされています。但し、東京都建築安全条例により、「建築制度を受ける角(かど)敷地」として指定されており、道路が交わる部分の敷地の角については、その角を頂点とする底辺2mの二等辺三角形の部分は隅切り部分として道路状に整備しなければならないこと、また、その部分には建築物を突き出したり、交通上支障のある工作物を築造してはならない、と指定されています。また、高さが4・5mを超える建築物の部分は、この隅切り部分の規制はありません。交通上支障がないのがその理由と聞いております。さらに隅切り部分は敷地面積から除外する必要がない旨、解説もされています。

このように、隅切りは法律上、グレーゾーンとなっているものである一方で、隅切り整備の効果は大きいから、42条2項道路の拡幅整備とあわせて、隅切りの整備についても強力に推進することが、特に木造密集地域の防災上の安全確保に欠かせないことだと思います。

② そこで伺いますが、杉並区においては、隅切り奨励金を交付するなど、工事費、測量費以外にも助成を行っている区もあると聞きますが、中野区でもこのような抜本的な解決策について検討するべきと考えますが、いかがでしょうか。

③ 次に、中野区で隅切りが必要とされる個所のうち、隅切り整備が完了した個所の割合はどのくらいあるのか、お伺いします。なお、区内全体の調査がまだされていないのであれば、住宅密集地域などの地区を限った隅切り整備の状況について、お答え下さい。

④ 現在、この隅切りの整備促進について、中野区はどのような手段で取り組んでいるのでしょうか。自分の敷地の一部を隅切りとして提供し、適切に維持管理をしている区民も多いとは思いますが、一方では隅切りを整備した後に、隅切り上に障害物を設置したまま何の指導も受けていない事例も見受けられ、整備促進の観点からも、このままでは不公平ではないでしょうか。そのような不適切な事例への対応も含めてお答え下さい。

⑤ さらに、隅切り部分の脇に警察の交通標識などの公共物が設置されている事例や、電柱が設置されている事例なども見受けられ、隅切り整備の趣旨に反すると思います。このような状況を中野区として認めているのでしょうか。認めていないのであれば、どのような対応をしているのでしょうか。併せてお伺いします。

⑥ この項の最後に、木造密集地域の関連で、「弥生町三丁目周辺地区」における「木造地域不燃化10年プロジェクト」についてお伺いします。

「弥生町三丁目周辺地区」については、先ほど伊藤区議からも質問がありました第一回定例会一般質問において、わが会派の市川みのる幹事長が、東京都の木造地域不燃化10年プロジェクトの「不燃化特区」の先行実施地区へのエントリーについて質問し、区長から弥生町三丁目地区について10年プロジェクト先行実施地区の選定を受け、都の特別の支援を受けながら防災まちづくりに取りかかれるよう最大限努めるとの答弁を頂きました。自民党としては、この問題を注視しており、是非ともお願いしたいものであります。

ついては、都の木造地域不燃化10年プロジェクト「不燃化特区」の先行実施地区は、3地区程度が選定されるとのことですが、選定を希望する区も多く選定の倍率が高いとも聞いており、6月末の先行実施地区応募に向けての現在までの経過についてお尋ねをします。

3 中野区立中学校の武道必修化について

平成18年に改正された教育基本法では、その目標に「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国の郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」が示され、それを踏まえた、新学習指導要領において「伝統や文化に関する教育の充実」が示されているところです。

「伝統や文化に関する教育の充実」は、国際社会で活躍する日本人の育成を図り、我が国や郷土の伝統や文化を受け止め、その良さを継承・発展させることや、伝統や文化についての深い理解が、他者や社会との関係だけでなく、自己と対話しながら自分を深めていく上で重要であります。

そこで、新学習指導要領では、保健体育の領域において、伝統文化の尊重とともに、小学校から中学校までの間に様々な運動を経験させることを重視しており、特に武道については「礼に始まり礼に終る」という礼節を重んじ、中学校第1学年及び第2学年において全ての生徒に履修するもの(必修化)としたものであると聞いています。そこでお尋ねします。

①平成24年度中野区立中学校における武道(柔道と剣道)選択について伺ったところによると、中野区全中学校11校の内、柔道10校・剣道1校となったと聞いております。また、柔道の道着や剣道の防具、竹刀等すべて個人負担と聞いておりますが、その通りでしょうか。
もし、その通りとしたら何故個人負担としたのか、さらに多くの学校が剣道より柔道を選択した理由についてもお尋ねします。

⑤ また、両武道の開始時期・学校名及び年間練習時間数についてもお伺いします。

⑥ 自分も小さい時から柔道を続けて来た経験として、両武道の練習にはかなりの危険が伴い、またその指導にもかなりの専門性が必要であると思います。そこで、現在の各学校での正規体育教員数及び有段者数は何人なのでしょうか。また、今日までの教員の研修はどのように行ってきたのでしょうか。
平成22年第3回定例会でも近藤さえ子議員が一般質問で、過去の事故例を挙げ、区の安全対策への配慮について質問をしており、その時の答弁によれば、柔道について「準備運動や受け身等の指導を十分行うことで安全を確保しており、さらに、わざの段階的指導や禁じわざの徹底等、起こり得る危険等についての事前指導を丁寧に行っているところです」と教育長(田辺裕子)が答えております。

⑦ 柔・剣道については、指導者を短時間で育成出来るものではなく、にわかの実技や研修だけで、体育の先生がすぐに生徒に教えられる立場になることは安全性の面からも不可能です。多くの柔・剣道を経験した区民や団体に学校教育ボランティアに登録してもらい、柔道連盟、剣道連盟、中野スポーツ推進委員会等に応援を求めたらどうかと思いますが、如何でしょうか。

⑤先日、東京都教育庁指導部企画課武道の安全指導のための「技術委員会」作成による中学校保健体育「柔道」授業の充実に向けた教員用リーフレットを見ました。
※相手の動きに応じた基本動作から、基本となる技を用いて、投げたり抑えたりするなどなどの攻防を展開すること。

※攻防の中で、投げる、抑えるなど、柔道本来の楽しさや喜びを味わいながら、技や体力バランスの向上指導——と書かれており、私は非常に危険性を感じました。柔道の基本は乱取(技をかけたり、抑えたり)することではなく、受け身を柔軟に取れるようにすることが先ず大切です。どんな有段者でも練習の最初は受け身から行います。しかし、この教員用リーフレットには、年間の教育時間数にもよりますが、明らかに組み技、投げ技まで、いわゆる乱取までの攻防を展開することとなっているのはどうしてなのでしょうか。

⑧ 最後に、いずれにしても生徒達へ柔・剣道を通して、日本古来からの武道精神を教え、心身を鍛え、事故のないように指導することについて中野区として強い決意と施策を示して頂きたいと思いますが、如何でしょうか。