地に立脚したドメインを

平成16年07月:私の想うこと

物事には、その本筋(なそうとする事)が、いかに真のものであろうと、その進め方、はこび方、方法、手法によって、それが正しいもの、真のものとは受け取れない事がある。もっと言えば、正しいとするその目的を言えば言うほど、むなしく空虚なものとなり、場合によっては、分かってもらおうとするその過程の中で、本当の姿を見失う事すらある。それは、どうしてだろうか。

真の目的を達成しようとする手段、言い換えれば、その進め方に大きな間違いがあるからである。拙速のあまり、足が地につかず、時として、その過程の中で主旨がブレ、目的と手段が混同したり、逆転したりする。それが、大げさに言えば、今の中野区政ではなかろうか。

最近の中野区を見ていると、中野サンプラザの事業者募集が予定通り進まなかったり、国保会計に繰り上げ充用が発生し、一般財源に頼るという安易な姿勢が見えたり、学校選択制についても公式に発表したにもかかわらず、延期したり、さらには、上司が出退勤システムを悪用しての不祥事やインターネット上への機密漏洩の問題等枚挙に暇がない程、多くの諸問題が発生している。

中野区は、この夏には、区の憲法・柱とも言うべき、基本構想・10か年計画を発表すべく策定作業を現在進めている。これは、重要かつ非常に大切なものである。10年先の中野区としてのあるべき姿を描き、それに向けての体制づくりを行おうとするものである。一般的に民間企業では、このことを「ドメイン」と呼ぶ。いわゆるその企業の基本方針・姿勢を示すものである。それを中心として売上・利益・組織・社員数等が作られる。

この中心がブレると、すべてが狂う。本来ならば、区としてのドメインを発表し、それを達成するために組織が作られ、財政が構築されなければならない。しかし、今の中野区は幹の前にその枝となるもの、例えば、学校の統廃合やまちづくり等が先行している。物事には順序があり、これは主客転倒である。柱がなければ家は建たない。

さらに不安なことに今の中野区は、基本構想の構築もさることながら、冒頭に述べたような諸問題が発生し、足元がグラついている。大切な事は、先ず足元を安定させる事。10年先を論ずる前に今日、明日のことをしっかりとしなければならない。足をしっかりと地につけてこそ、よりよいドメインが生まれるものである。

田中区長は一日も早く区民、職員、議会の総意の結集を図り、先ず、職員のモラルの確立とあわせ「信頼」と言う二文字で足元を固め、その上で大きな柱・10か年基本構想の再構築をすべきであると思うがどうだろうか。