初鰹 パフォーマンスより政策

平成18年05月:私の想うこと

薫風の候となりました。昔からよく言われる言葉ですが、「青葉」といえばやはり「初鰹」。鎌倉辺でとれた鰹を早船で運び、てんびんを担いだ魚屋が市内を回る姿は、江戸の風物詩として川柳にも沢山詠まれています。

当時、初物を食べると寿命が75日延びるという俗信もあって、4月上旬(今の暦なら5月上旬)から半月余りの間、江戸っ子なら女房を質に入れても食べようとしたとか。『初の字が五百鰹が五百なり』。『初』の字がなくなれば1本1分(千文)が半値になります。

大田南敏(蜀山人)が文化9年(1812年)、その頃、最高の料亭だった「八百善」が初鰹を2両1分で、また歌舞伎役者・中村歌右衛門が3両で求め、大部屋の役者達にふるまったと記しています。1両は今のお金に換算していくらなのか。文化文政の頃、一両は約3万円と言われています。3両で10万円近くなりますか。『そこが江戸小判を辛子みそで喰い』。鰹は刺身にして辛子みそで食べるものでした。

『意地づくで女房、鰹をなめもせず』。亭主が高い値で買った鰹を女房は意地でも食べない一方で『初鰹、女房あたまもくう気也』。『その面で、からしをかけと亭主云い』とは、ふくれっつらをした女房に亭主が言う言葉。怒ってかくと辛子がよく効くというのも俗言ですが。

『江戸者の生まれそこない金を溜め』という句があるように、ケチと言われたくないのが江戸っ子気質、「その金で鯨を買うと伊勢屋云い』。伊勢屋というのは川柳では金持ちだがケチとされています。ついでに『目には青葉冷凍で出る初鰹』というのが現代の句だそうです。世の中、便利になるのは結構ですが、風物詩や街の風情までなくなってしまうのは考えものです。

5月の心地よい風に誘われて、ついつい初鰹にちなんだ川柳などを並べました。初当選してからこの3年余り、私は主に区職員の賃金や手当の見直し、役所・役人の役割と意識改革の必要性、同時に無駄を省くという、ある意味で憎まれ役を買って出て、およそ地味で、大向こうの拍手喝采など全く縁の無い活動を続けてきました。

勿論、地元を走るメトロ地下鉄丸ノ内線のもう一方の避難通路の設置や、バリアフリー化実現などに向けて出来うる限りの努力をし、それなりの成果も挙げましたが、「パフォーマンスより政策」の信念に変わりありません。

これからも冷凍した鰹ではなく、生きの良い初鰹のように躍動しながら頑張るつもりです。なにとぞ倍旧のご支援、ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。