プライバシーより大切なことは・・・・

平成18年12月:私の想うこと

今年も師走に入りました。皆さま、なにかとお忙しい毎日をお送りのことと思います。

私達が住む東京は今年も大きな地震や自然災害も無く、有難いことにここまで無事に過ごしてきましたが、11月22日の東京新聞朝刊は、1面トップで、渋谷区が高齢者情報を本人の同意なしで町会などに提供できるよう条例を改正すると報じました。地震など災害が起きた時、自力で避難するのが難しい高齢者の所在を前もって地域で把握し、救助に役立てることが目的で、対象となるのは震度6以上の地震で倒壊のおそれのある建物(渋谷区内で約2800棟)に住む高齢者や障害者。福祉、介護保険担当両課の情報を参照して名簿を作成し、町会の他にも、消防団、消防署、警察署、民生委員にも情報を提供するとしています。

私も防災対策については再三、議会でも取り上げてきました。東京都が公表した地震に関する地域危険度測定調査報告書でも、焼失危険度上位100丁目リストに中野区の10の地域が入っていて、いわゆる災害弱者の救援は本人の日頃の備え云々でなく、行政の責務であることもこのホームページでも述べてきました。

今回の渋谷区の条例改正は高齢者の住所、障害の程度を本人の同意なしで自主防災組織などと共有する、全国で初めての試みと新聞では報じていますが――他区に先を越されたから言う訳ではありませんが――まさに「本人の同意なしで」の部分をどうクリアするかで私も悩んできました。新聞の解説でも「地域による『見守り』は孤独死を防ぐことにも役立つが、一つ間違えれば『監視』ととらえる人もいるだろう」と警告しています。

個人情報はどこまで許容されるべきなのか、議論を始めたら切りがないのかも知れません。ただ、隣近所にどういう人が住んでいて、万が一、地震などの災害が起きた時、その人の安否を気遣い、姿が見えなければもしかして瓦礫の下敷きになっているのではないかと心配することは、プライバシーに関係なく、一人の人間として当然の行為ではないでしょうか。なにかの事件が起き、テレビなどのニュースで近隣者が記者に「そういえば悲鳴が聞こえた」などと言うのを聞くにつけ、余りの無責任さによく腹を立てることがありますが、災害弱者の名簿作りの前に、私達は思いやりの心をもっと持つべきではないでしょうか。

今年もホームページのご愛読、ありがとうございました。この1年間、これまで1ヶ月ごとに、その時、その時の話題や自分が感じた事などをあるがままに「私の想うこと」を述べて参りました。また、皆さまからも多くのご意見を頂戴しました。今後も皆さまの貴重なご意見を指針にし、中野の区政改革に取り組んで行く所存です。来年もまたご指導、ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。