今、飽食の日本で忘れられたものは

平成19年02月:私の想うこと

来年、オリンピックが開かれる北京市では、この2月から毎月11日を「自主的に列に並ぶ日」と定めたそうです。中国では乗車時や買物時に列をつくらず平気で割り込んでくるとか。11日を選んだのは「11」が順番に並ぶ様子に見えるからだと報じています。

「これでは福袋なんか売り出したら圧死者が出るだろうな」と思っていたら、たまたま見ていた新聞の「日本ここが不思議」という記事で、北京日報の東京特派員が次のように言っています。『日本人はバスや電車に乗るときも、満員のレストランの席を待つときも、秩序正しく行列する。

日本人の秩序正しさは聞いていたものの、実際に自分の目で見た時はびっくりした。中国ではバスが到着すると、停留所で待っていた人々が乗降口に殺到する。多くの中国人はマナーが悪いし、交通機関が充実していないので、このバスに乗り遅れたら遅刻する、とみんな必死なのだ。

「衣食足りて礼節を知る」とはもともと中国の言葉ですが、その中国は今、地球温暖化にお構いなく石油や石炭など化石燃料を、それこそわれ先に、湯水のように使っています。『乗り遅れたら遅刻する、中国人はみんな必死なのだ』と言われても、やはりマナー違反ではないでしょうか。

一方、マナーが良いとお褒めに預かった日本人ですが、今年に入ってからも、あっちの県知事こっちの県知事の収賄、禁止したはずの大手ゼネコンの談合、警報機無視のガス漏れ事故、ペコちゃんも泣く消費期限切れの食材使用、納豆ダイエットの捏造など背信行為の連続。「衣食足りて飽食し、自ずから礼節を忘れる」の観があります。

私はこの4年間、区議活動を続けているなかで、なによりも「初心忘るべからず」を心に刻み込んできました。生きている限り日々、不断の努力をするということは口で言うほど簡単なことではありませんが、その日その日を充実させなければ志も老いてしまうのではないでしょうか。私は、「志」こそ個人の責任の拠り所だと思います。自分さえよければという考えが、結局は積もり積もって取り返しのつかない背信行為に結びつくのではないでしょうか。

4月の区議改選まで残り3ヶ月を切りました。私も世阿弥の言葉通り、何歳になっても無限の向上心をもって責務を全うする決意であります。何卒皆様のご支援ご鞭撻を賜りますよう、切にお願い申し上げます。