地震対策に待ったなし

平成19年09月:私の想うこと

9月に入り、さすがに朝晩過ごし易くなりました。気象庁が発表した都心の8月の平均気温は29.2度で、平年より2.1度高かったとか(8月30日現在)。「去年の夏はこんなに暑かったろうか」と毎年思うのも、こちらが歳を取ったせいでしょうか。どうやら東京のみならず日本全国、異常気象のせいではなく、猛暑そのものが当たり前になったようです。

9月2日、夜9時からのNHKスペシャル『大都市を襲う地震火災』を見ました(但し、家人がとったビデオですが)。ご覧になった方も多いと思いますが、番組では今まで安全だと思われていた高層ビルを支える高強度コンクリート製の柱に「爆裂」の危険性があるなど、新たな問題点が紹介されました。

東京都が昨年2月公表した首都直下地震の被害想定では、冬の午後6時にマグニチュード7.3の「東京湾北部地震」が発生した場合、死者4,662人、全壊建物数436,539棟、発生直後の避難者2,872,413人、帰宅困難者3,918,359人、閉じ込め事故が発生するエレベーター9,161台となっています。平成9年の同被害想定では死者7,159人。死者減少について私が昨年の公表時に都の総務局に問い合わせたところ、非木造建築物が増えたこと、耐震・不燃化が進んだこと等を減少要因に挙げました。

災害も都市の発展に伴って進化すると言われますが、平成9年の被害想定ではエレベーターに閉じ込められる事故など想定外でした。同様に――NHKの番組で紹介されたように――支柱の「爆裂」によって高層ビルが倒壊する危険性も想定を超えていたのではないでしょうか。

番組では地震発生による同時多発火災を1,000件とし、全部の火災に対応出来ず、東京消防庁が延焼の危険性が高いところから順に消防車を回す話も紹介されました。9月1日は「防災の日」ということで、民放テレビでも似たような特集を組んでいましたが、完全に鎮火する前に消防車が他所の火災現場に向かうシーンもありました。

その他、1方向しか避難口がない地下鉄火災(配電盤やケーブルからの出火)の危険性も指摘されました(画面では中野坂上駅の2方向避難路整備工事の様子が映されました)。この事は私が地元の皆さまと地下鉄丸の内線地元駅のバリアフリー化を進める際に再三取り上げてきましたが、地元各駅の2方向避難路設置状況については私の機関紙「なかの夢とぴあ」第8号(9月1日発行)に詳しく載せましたので是非お読み下さい。

9月1日の「防災の日」が過ぎると、まるで年中行事が終わったかのようにまた一年間、ただ漫然と過ごせばいいという訳にはいきません。政府の地震調査委員会が3年前に発表したマグニチュード7級の首都直下地震の発生確率は30年以内に70%となっています。こうした厳然とした数字がある以上、区民の安全・安心を確保するために行政は何をしたら良いのか。想定外の被災に備えるためにも、これまでの防災計画を早急に再点検する必要があります。例えば、迅速に広域避難場所にたどり着けるのか、避難所として活用する学校など区の施設の耐震性は大丈夫なのか、消防車が入れない狭い道はどう拡幅整備するのか、お年寄りなど災害弱者対策は充分なのか等々、待ったなしで取り組まなければならない問題が山積しています。

10月1日から気象庁による一般向けの「緊急地震速報」もスタートします。防災対策は区民の皆さまのご協力なくしては一歩も進みません。どのようなご意見、アイデアでもけっこうですから是非ともお聞かせ下さい。皆さまの声を活かし、実現させるためにこれからも全力を尽くしてまいります。