食の偽装から学ぶもの。本当に「もったいない」とは・・・

平成19年11月:私の想うこと

今、食の安全が揺らいでいます。今年の夏のミートホープ社の牛肉偽装以後、「白い恋人」「赤福」「比内鶏」「吉兆」「ミスタードーナツ」と、食品偽装が後を絶ちません。「どうせ消費者にはわかりっこない」と高をくくっているのでしょう。もはやブランド物でも信用できません。

「赤福」では、消費期限切れの売れ残り商品の餅とあんを、新しい商品に再利用もしていたとマスコミは怒り心頭のようですが、無駄を承知で廃棄するのも「もったいない」という気がしないでもありません(だからといって、偽装を肯定しているわけではありませんが)

ノーベル平和賞受賞者のマータイさんは、資源を大切にする意味の日本語「もったいない」を国際語にしようと世界各地で呼びかけています。では、本家本元の日本では?

食糧自給率40パーセントの我が国は、年間1500万トンの食糧を生産し、5800万トンの食糧を海外から輸入し、内2000万トンを廃棄しています(加工段階400万トン、流通段階700万トン、消費段階900万トン。コンビニなど流通段階の廃棄700万トンは1日当り1万9千トン強に当ります)量から言えば、国内の食糧生産の全てを廃棄し、まだ捨て足りないので輸入してでも捨てる、という国が他にもあるのでしょうか。

私が子供の頃は今の「飽食の時代」と違って、食べ物の種類も限られていました。また、ご飯粒一つ残そうものなら「お米はお百姓さんが丹精して作ったものですよ」と母親に叱られたものです。「食べてすぐ横になるなんてお行儀が悪い。牛になりますよ」とも。

あの頃、私が育ち盛りだった昭和20年~30年代の頃、賞味期限を皆が自分の触感で確かめていたのではないでしょうか。どの家庭でも今のコンビニのように一定時間がたったら即、廃棄するような真似をしないで、硬くなったご飯なら蒸かして食べるなどごく当り前でした。「もったいない」と言う前に、皆が物をもっと大切にしていた時代です。

先月(10月)小麦の輸入価格が10%値上がりしたことにより、パン、インスタントラーメン、パスタ、カレールー、菓子などの類が今月からいっせいに値上がりしました。また、石油価格の値上がりで魚の値段にも影響が出ています。食糧自給率わずか40パーセントで、海外からの輸入に頼らざるを得ない日本はまさに値上げラッシュ。

その値上げに悲鳴を上げながら、一方で食べ物を捨て続けるのは本当に「もったいない」と言うより、なにかが狂っているとしか思えません。日本農林規格(JAS)法で食品偽装をチェックするのは当然ルールを守らないので当たり前ですが、一方大量消費で利益を上げることしか眼中にない大小食品会社の「企業倫理」をチェックすることも大切なのではないでしょうか。

参考までに、主要先進国の食糧自給率を載せます。
フランス130% アメリカ119% ドイツ91% イギリス74%  日本40%