「前向きに検討します・・・・」とはNOのサイン?

平成20年06月:私の想うこと

先日、テレビで織田裕二主演の「県庁の星」という映画を見て、久し振りに大きな衝撃と感動を覚えました。内容は、主役の織田裕二はある県の将来を嘱望された若きエリート職員。出世を最大の目標とし、県の巨大プロジェクト入りを目指していました。

その頃、行政にも民間の感覚が必要との点から、「民間人事交流」が発足し、彼も県内のあるスーパーに出向(6ヶ月間)し、勉強することになりました。

しかし行ってみると、そのスーパーでは接客マニュアルや組織図もなく、まったく時代遅れの経営でした。彼は独自に改善計画書を作成し、改革を経営者に訴えましたが、店長や従業員からも反発を受け、まったく相手にされません。

また彼は顧客に対しても独善的な態度を取り、その結果、マスコミにその対応を取り上げられ、県庁サイドも問題を起こした彼に見切りをつけ、彼を巨大プロジェクトからはずす決定をしました。

その後、彼は失意の中で、自分の出世の為にこのスーパーを立直すのだという誤った手段と目的に気づき、さらにマニュアルよりも組織図よりもお客の心の大切さを知り、次第に店長や従業員とも一体感が生まれスーパーの再建を達成することが出来ました。

その後、民意がいかに大切かを知った彼は、県庁に戻った後、県の巨大プロジェクトの経費が現行案の約半分で出来る旨の見直し案を多くの県民と共に作成し、議会・知事に訴えます。知事は「前向きに検討する」ことを約束し、いったんその場をおさめます。しかし、最後の場面で、知事は「私は前向きに検討するとは言いましたが、検討した結果、採用はしない」という発言でこの映画は終わります。

この映画は、いくつかの大切なことを私に教えてくれました。

その一つは、彼が入庁した時の顧客マニュアルの中で、もし「うるさく県民が言って来たら一応前向きに検討しますと答えておく。それは検討した結果、やはりダメでしたという事が可能であるから」との表現でした。「検討をする・・・」とは、NOということなのでしょうか。この言葉を聞いた時、まさに今の行政全体の姿勢を現しているなと思いました。

もう一つは、知事が彼に「民間交流で何を学びましたか」と問うと、彼は「改革は物や形を変えるのではなく、そこにいる人達の意識を変えること。そして、素直に謝り、素直に教わること。さらに何かを成し遂げる為には、多くの仲間が必要だということを学びました」と答えたことです。

今後、私も自分が改革を訴える時は、単に物や形を変えるのではなく、「人の意識を変える」こと、意識改革こそが重要であり、大切であることをこの映画は教えてくれました。