学校選択制は「さびれた学校」を生んでいないか・・・

平成20年11月:私の想うこと

学校選択制は「さびれた学校」を生んでいないか・・・

ふだん、新聞にゆっくり目を通す時間がなく、休みになると記事を切り抜いたりしながらまとめて読むのが習慣になりましたが、「北極海の氷も早ければ5年後に完全消滅か、白熊もたいへんだな。中国ではメラミン入りの飼料でタヌキが460匹以上も死んだのか」などとつぶやいていると、「熊やタヌキって、いったい誰のことを言ってるんです」とすかさず家人から叱声が飛びます。

そんな中、10月22日の毎日新聞朝刊は、「学校選択制で格差」の見出しで都内28市区の調査結果を載せています。学区外の小中学校にも通える学校選択制度(2000年に個性的な学校づくりを目標に品川区が取り入れてから、東京では19区と9市が導入)により、人気校と不人気校の固定化が進み、人気校は校区児童の3倍もあるのに対し、区部では新入生が1けたの学校が7校、10人以上20人未満が23校ある、いったん生徒が減りだすとクラブ活動も停滞し人数の回復が難しくなるというのが主な内容です。

この記事の中で私が「おや?」と思ったのは、「旧文部省が規制緩和のため学校選択制を導入できるようにした」という件です。規制緩和とはもともと政府の規制を縮小することを指しますが、今では「市場主導型の産業のあり方が望ましいと考えられる際にとられる基本的な政策手段のひとつで、市場競争を促進し経済活性化を果たすために採用されるが、導入による弊害の解決のため、セーフティーネットなどの構築が必要とされている」(出典:ウィキペディア)と云うふうに、その功罪が問われています。

古くは姉歯の耐震偽装問題に始まり、今では労働者派遣法の緩和によるワーキングプア、ネットカフェ難民増加などの原因とも言われる規制緩和。この規制緩和が生み出す「格差」が今、金融危機、食糧危機をも巻き込んで世界中で問題となっていますが、学校選択制度により子供達が知らず知らずの内に市場競争に組み込まれていたら、いかに「学校の活性化が進む」と言っても、もう一度、選択が格差の基になっていないか、皆で真剣に考えてみるべきではないでしょうか。江東区では地域と子供達の係りを強めるため、学校選択制度を一部見直し、来年度から小学校については原則、住所で決まる通学区域の学校への入学とすることにしました。

現在、中野区では学校選択制度を導入していません。区では小中学校の再編、統廃合が完了してから後、選択制度導入の是非を考える方針です。少なくとも、セーフティーネットがずたずたになった今の競争格差社会の中で、大手のスーパーに押されて街の商店街がさびるように、少人数でさびれた学校がそのまま放置されるような事態だけは避けるべきだと思います。皆さまいかがですか。