
東京都の福祉保健局が発表した今年4月1日現在の区市町村別の待機児童数によると、中野区は前年の375人から204人減って171になりました。大幅に減った要因として区の担当者は保育所の新規開設など、定員が増えたことを挙げています。
待機児童解消は一朝一夕に成るものではありません。費用もかかります。例えば田中前区長時代、28年度予算では8億7千万円を投じて民間保育施設開設支援(定員330人増)などを図り、また29年度予算でも同支援に27億7千万円(約1300人増)などを計上し、待機児童解消に努めて来ました。その成果がやっと今、実りつつあるのではないでしょうか。
一方、酒井区長も今年6月、第2回定例会での施政方針説明で「中野区を子育て先進区へ」を区政運営の柱にしたいと述べていますが、同時にボトムアップ型区政への転換を図り、新たな基本計画の策定にも取り組んでいくとも述べています。果たしてこれまでの待機児童対策をどのように進めて行くのか、大いに注目するところです。
年度 (平成) |
待機児童数 (人) |
前年度比増減 (人) |
保育定員 (人) |
保育需要率 (%) |
---|---|---|---|---|
26年 | 241 | 94 | 4,562 | 39.1 |
27年 | 172 | △69 | 5,013 | 39.9 |
28年 | 257 | 85 | 5,492 | 42.6 |
29年 | 375 | 118 | 5,776 | 45.1 |
30年 | 171 | △204 | 6,276 | 45.1 |
- 注1 保育定員には無認可保育所は含まれていません。
- 注2 保育需要率は(保育サービス定員+待機児童数)/就学前児童人口
この表を見ると、中野区の保育定員は平成26年から同30年までの5年間で1,714人増えていることが分かります。また、平成30年4月1日現在の保育サービス利用児童数は5,913人で前年の5,526人より387人増えています。
今後、保育サービスを利用する児童数は現在の45%からさらに増加するものと思われますが、今年度予算でも——田中前区長最後の予算編成になりました——民間保育施設新規開設支援、区立保育園民営化、保育士人材確保・支援対策等に約88億円を計上しました。
これまでの努力と成果を踏まえ、新区長の基、来年こそ待機児童ゼロになれば良いのですが。
順位 | 区名 (区) |
待機児童数(人) |
---|---|---|
1 | 世田谷 | 486 |
2 | 江戸川 | 440 |
3 | 目黒 | 330 |
4 | 太田 | 250 |
5 | 足立 | 205 |
6 | 墨田 | 189 |
7 | 中央 | 188 |
8 | 板橋 | 185 |
9 | 台東 | 183 |
10 | 中野 | 171 |
11 | 渋谷 | 151 |
12 | 文京 | 100 |
順位 | 区名 (区) |
待機児童数(人) |
---|---|---|
13 | 港 | 89 |
14 | 荒川 | 80 |
15 | 練馬 | 79 |
16 | 江東 | 76 |
17 | 葛飾 | 64 |
18 | 北 | 42 |
19 | 新宿 | 25 |
20 | 品川 | 19 |
21 | 千代田 | 0 |
21 | 杉並 | 0 |
21 | 豊島 | 0 |
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