都議選を終えて(二元代表制について)

都議選も最終盤、6月30日の毎日新聞朝刊に次のような記事が載っています。

〈岸田文雄外相は自らの派閥の会合で「都の政策議論よりも国会議員に関わる言動によって党のイメージが落ち、選挙に悪い影響を与えている」と懸念を示した〉

国会議員の言動が、という「懸念」がまさに逆風となって現れ、暴風のように吹き荒れたのが今回の都議選ではなかったでしょうか。都議会自民党は大幅に議席を減らし、第二党に滑り落ちました。

また、〈定数1減で3議席を争った中野区では、議長を務める川井重勇(しげお)氏がまさかの落選〉(東京新聞7月3日朝刊)で、次点となりました。前回は自民、公明、民主、共産が4議席を分け合いましたが、今回、都民ファーストが加わり全42選挙区を代表する激戦区になり、自民への逆風は都議会の重鎮にも及びました。

選挙戦が始まった先月23日、小池百合子氏の都内での第一声は「古い議会を新しくする絶好のチャンスが始まった」というものでした。暗に知事と議会が癒着していたと。

一方、中野駅頭における川井氏は「地方自治の原点は二元代表制。知事が決めた通りに従う議会であれば必要ない。独裁政治です」。

小池氏に対するこの痛烈な批判は、なにも川井氏に限ったものではありません。前岩手県知事の増田寛也氏は紙上で「知事が政党を率いて議会を押さえるのは二元代表制を採る地方自治の理念に反する」また、前鳥取県知事の片山善博氏も「都民ファーストなどの議員が多数当選し、知事と議会の多数派が一体化すれば、『古い議会』と結局、同じになる」と述べています。

ここで問題になっているのが二元代表制です。

国政では直接選挙で選ばれた議員で構成する議会で首相を指名し(ごく簡単に言えば首相は議員の中から選ばれ)、その首相が内閣を組織する「議院内閣制」を採っていますが、全国の地方自治体が採っている二元代表制は、住民が直接選挙で首長と議員を別々に選ぶ制度です。

首長は予算や条例などの議案を議会に提出する権限を持ち、議員はその議案を審議・議決する権限を持ち、首長の行政運営をチェックします。議員が持つ立法権と首長が持つ行政権の分離を徹底できる利点があります。

「都は議院内閣制ではなく、議会の信任の上に成り立った政権ではない」と前述の片山氏も警告しています。

このことは同じ二元代表制を採っている中野区議会を例にとればもっと判り易いのではないでしょうか。区長が議員のチェックが厳しいから「中野ファーストの会」(あくまでの話ですが)を立ち上げて、イエスマンばかりを集めたとすれば、独裁と批判されても当然です。

これからも私達有権者の一人一人が都政を見守って行きたいと思います。最後になりますが、この激戦を共に戦って下さった皆様に心から感謝申し上げます。有難うございました。