区民一人あたりのコストは?

20151101

先月は昨年度の中野区の決算状況についてふれました。いわば区の「家計簿」がどうなっているのか、収入がいくらで黒字なのか赤字なのか、どこかで無理をしてないか、無駄遣いが有るのか無いのか、皆様にご報告したつもりでしたが、「経常収支比率」等、普段あまり聞き慣れない用語が混ざり、判りにくかったとお叱りを受けました。

そこで今月の「私の想うこと」は、視点を変えて、区の行政サービスの受益者である区民一人一人にどれだけの「行政コスト」が掛かっているのか、それについて考えたいと思います。

「行政コスト」とは、性質別には「人にかかるコスト」(人件費等)、「物にかかるコスト」(備品購入費等)、「移転支出的なコスト」(生活保護など社会保障給付等)、「その他のコスト」(支払利息等)に分類されます。

平成26年度の「行政コスト」は総額914億7,400万6千円で、これを中野区の現在の人口31万8,530人で割った区民一人あたりの「行政コスト」は28万6,862円になります。平成25年度は27万3,952円でしたので、1万2,910円増加したことになります。

一般に、サービスに要する「行政コスト」が増えれば、その分、サービスも向上するはずですが、下記の表1「区民一人あたりの目的別行政コスト」をご覧になって下さい。(性質別行政コストを目的別行政コストにしたものです)ここでは「福祉」が9,532円も増え、前年度より増えた分の約74%を占め、一方、「消防」は1,753円減となっています。実際のところ、「福祉」は平成26年度行政目的的コストの62%を占めています。従って「行政コスト」が増えれば、サービス全般が向上するとは必ずしも断言出来ません。

表2は平成25年度の他区との比較です。区によって財政状況、人口が異なるので一概に比較は出来ませんが、港区では中野区より11万円以上差があり、例えば中野区の「教育」26,210円に対し52,453円、「産業振興」2,923円に対し9,132円と大差がある一方、「福祉」は167,971円に対し175,918円とあまり変わりません。

これからの中野区は行政サービスの中身を精査していくことも必要だと思います。

表1 区民一人あたりの目的別行政コスト:単位は「円」

 項目  平成26年度 平成25年度  増減額
生活インフラ・国土保全 16,154 14,658  1,496
 教育 28,208 26,210  1,998
 福祉  177,503  167,971  9,532
 環境衛生  25,424  23,987  1,436
 産業振興  3,052  2,923  129
 消防  2,105  3,858   △1,753
 総務  29,133  2,8372  761
 議会  2,553  2,761  △208
 支払い利息  1,313  1,906  △593
10  回収不能見込み額  1,416  1,306  110
11  その他  1  1  △0
合計  経常行政コスト  286,862  273,952  12,910

表1 平成25年度区民一人あたりの行政コスト・他区との比較:単位は「円」

中野区 品川区 板橋区 豊島区 目黒区 港区
 273,952 325,329 316,005 335,901 263,601 385,958

財務書類の作成方法について、中野区と同じモデルの区と比較