5月の「空き家対策特別措置法」全面施行にともなって

4月の区議会議員選挙が終わり、5月22日、新たに選出された議員による本会議が開催され、正副議長、常任委員会委員、特別委員会委員等が決まりました。

28歳から74歳まで新メンバー42人の平均年齢は48.07歳。前回選挙時より約1歳ほど若くなりました。

これを党派別に見ると、自民(13人)55.38、公明(9)49.00、共産(7)43.85、民主(5)34.40、無所属(6)47.33。他に生活クラブ1名(52歳)、維新1名(43歳)。

自民党の平均年齢50代後半が目立ちますが、若さやルックスの良さなどは確かに魅力的であるものの、議員にとって必要なのは経験を積み、実績を挙げ、区民のために尽くすことです。今回、私は常任委員会では厚生委員会に、特別委員会では区内駅周辺等まちづくり調査特別委員会(注1)に属しました。

私のこれまでの取り組みの一つに「空き家」問題があります。

これまで再三にわたって議会で区の対策を質してきましたが、先月5月26日に全面施行された「空き家対策特別措置法」によって、根本的に対策が見直されることになりました。

先ず、対象となる空き家の定義ですが、特措法では▽放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれがある▽放置すれば著しく衛生上有害となるおそれがある▽適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている▽周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である――などの空き家を「特定空き家等」と定めています。

さらにこの特別措置法のポイントを挙げるとしたら以下の3点です。

(1)地方自治体の指導・勧告・命令が可能となり、段階を追って解体や除去など強制執行が可能となります。

(2)所有者が勧告を受けた時点で今までの優遇税制が撤廃され、空き家を放置すると固定資産税が6倍となります。

(3)自治体が固定資産税の課税情報を利用できるようになり、所有者が特定できます。(立入調査権等)

この3点について少し説明を付け加えます。

(1)について。これまで防災・防犯・環境・衛生上などさまざまな問題を抱えた空き家があっても、持ち主の同意がないと撤去することもできませんでしたが、特措法では所有者が命令に応じない場合、行政代執行による強制的な解体・撤去が可能となりました。また、命令に違反すれば50万円以下の過料、立入調査を拒否や妨害した場合は20万円以下の過料を科することもできます。但し、所有者が撤去費用等を払わない、あるいは払えない場合の処置の問題が残っています。

(2)について。これまで住宅が建つ土地には固定資産税が最大6分の1に引き下げられる優遇措置があり、このことが空き家放置の一因とも言われてきましたが、自治体が所有者に勧告した時点で固定資産税の優遇措置が撤廃されることになりました。つまり、空き家を放置しているメリットが完全になくなりました。

(3)について。これまで所有者が不明だったり複数いたりして、自治体が対処できないケースが多々ありましたが、固定資産税の課税情報が利用できるようになり、所有者を特定することが可能となりました。

先ごろ総務省の「平成25年住宅・土地統計調査」の確報値が公表されました。この調査は5年ごとに行われるもので、全国で820万戸の空き家があり、空き家率は13.5%と過去最高になり、さらに年々増加しています。東京都では11.1%で増減なし。都内の「賃貸用」の空き家は区部・市町村部とも増加。一方、「長期不在、取り壊し予定」の空き家は区部・市町村部とも約20%の減少となっています。(東京都都市整備局)この「調査」を基に中野区の空き家率を調べてみると、13.8%で豊島(15.8%),太田(14.9)、千代田(14.0%)についで上位4位。賃貸物件空室率では18.8%で豊島(23.3%)、太田(20.8%)で上位3位になっています。

中野区は今後、老朽化したマンション等集合住宅の空き家問題にも取り組んでいく必要があると思います。

注1 この特別委員会は「区役所及び体育館整備調査特別委員会」「少子高齢化対策調査特別委員会」とともに新設された3特別委員会の1つで、中野駅周辺だけでなく、中野坂上や沼袋など区内交通の結節点になる駅周辺の調査研究を目的とした委員会です。