空き家対策の“放置”は許されない

中野区議会第3回定例会決算特別委員会における私の空き家対策に関する質疑に対し、田中区長が「将来これは大きな社会問題となるので、今後組織を横断してでも取り組んでいく」と決意を表明したことは前回のこのホームページでふれました。

今回はこの質疑応答についてより詳しくお伝えします。

区長は私の空き家対策とその活用についての質問に最初はこう答えました。「将来的に空き家は少子高齢化と関連して、社会の負担となる普遍的な問題と認識しているが、税を投入してでも解決しなければならない問題がどこにあるのか検証していく必要はあると考えている。また、老朽空き家が周辺地域に及ぼす諸問題を早期に解決し、安全で安心な地域社会を構築していくためにも、国が進めている空き家等対策の特別措置法案に期待するところが大きいと思う」(下線は佐野、以下同じ)

空き家対策が重要だと認識している一方で、税を投入することの適否や国の動向を待つ姿勢に対し、私はいわば再質問のかたちで前述の区長の決意を引き出しましたが、中野区の空き家対策が遅れていることは否めません。

例えば区の『新しい中野をつくる10か年計画(平成22年度〜平成31年度)』には空き家対策が盛り込まれず、「空き家」という言葉さへ見当たりません。10か年計画にある「多様で良質な住宅の誘導・確保」では①高齢者向け住宅等の確保と住み替え支援②ワンルームマンションの抑制と共同住宅の居住環境等の向上③大規模団地の建て替え等におけるファミリー向け住宅の誘導④分譲マンションの適正管理の推進が10年後の中野のめざす方向として記され、「安心して住み続けられるまちづくり」では木造住宅密集市街地の改善等が挙げられています。むろんこれらは重要な施策です。これらの施策を実現する過程で空き家対策に取り組むのなら、それはそれで良いのかもしれませんが、やはり空き家対策に一項を設けるべきではないでしょうか。

決算特別委員会での私の「空き家についてどう考えているのか」という質問に区の担当者は「さまざまな理由で空き家及び空き室が増えていると思われるが、建築行政の立場から言えば、自己責任における維持管理をお願いしていくしかない」と答えています。

また、国の特別措置法案の成立を待って動き出すのでは遅きに失する感もあります。現在、区に相談が寄せられ問題となっている空き家は全部で83戸ですが、平成20年の民間調査では区内の空き家は1万7500戸余りに上ります。防災、防犯上からも“放置”は許されません。

東京23区ではすでに足立、太田、新宿、墨田、台東、豊島の6区で空き家対策が条例化され、世田谷でも進められています。他区の条例を見るとそれぞれ区の実情に合わせて異なるものの、実態調査、立入調査、勧告・指導、緊急安全措置、命令、公表、代執行、助成、警察・消防署等との連携等多岐にわたります。(代執行が条例化されているのは新宿、墨田、太田)

私の質問に対し、区は「表面化していない空き家があることは十分承知しているが、実態については把握していない。特別措置法案が成立すれば、実態調査の方法が変わると思われる。今年度は一部モデル地域・地区を指定し、中野区の空き家について調査を行う予定だ」と答えています。

私は予算を確保してでも実態をしっかり調査、把握し、その対策や活用を図っていくべきだと区に強く要請しました。

中野区の空き家対策はやっと緒に就いた段階なのでしょうか。