一刻も早い区独自の空き家対策条例制定を・・・

すでにTVでも紹介され、今や日本中で空き家対策が防災、環境面等からもますます深刻な問題になっています。

5年ごとに行われる総務省の住宅・土地調査の昨年調査の速報値が今年8月に発表されましたが、全国で6063万戸ある家の内、820万戸が空き家。およそ7戸に1戸が空き家で、その率は13.5%(東京23区平均は11.3%)。前回平成20年の調査では全国の空き家は756万8000戸。さらに平成10年にさかのぼれば空き家数は576万4000戸。この25年間で実に243万6000戸も増えたことになります。

では、中野区ではどのくらいの空き家があるのか? 国土交通省の平成16年度空き家実態調査によれば、区内全戸数17万7020戸の内1万9220戸が空き家で、その率10.9%。ただ、平成20年の民間調査では1万7500戸で年々減る傾向にあります。そして現在、区に相談が寄せられ問題になっている空き家は全部で83戸です。

この空き家対策に関して私は昨年の第3回定例会総括質疑に続き、今年の第1回定例会一般質問でも取り上げました。総括質疑で私が写真パネルで現状を示したケースでは、相続人を追跡した結果、最終相続人にたどり着き、適正な維持管理が行われるようになった。また、樹木に覆われた本町5丁目の空き家については、所有者に積極的に働きかけた結果、今年1月に樹木の選定が実施されたなど、一定の成果が得られましたが、これですべてが解決したわけではありません。

空き家から発生する問題としては、①建物崩壊、火災時の延焼など防災上の問題 ②樋(とい)が曲がり、雑草が茂り、害虫が湧くなど衛生上の問題 ③不審者が無断で住みつくなどの防犯上の問題 ④雑草やツタがからまり、地域イメージの低下など景観上の問題等が挙げられます。

これだけ問題が指摘されているのにも拘わらず、なぜ空き家の撤去や解体が進まないのか? 所有者の管理意識が低いことはともかくとして、その所在がつかめない、所有者の死亡により相続人が多数いる、権利関係が複雑化して所有者が分らないなどいろいろなケースが考えられますが、多額な撤去費用とともに住宅がなくなると200平方メートル以下の場合、固定資産税が6倍、都市計画税が3倍に跳ね上がり、所有者は二重の負担を強いられ、さらには住宅などを建てるには敷地が幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければならないという建築基準法の規定があり、売るに売れず、撤去しても新たに建物を造ることが出来ないことなどがあります。

こうした中、秋の臨時国会で議員立法による「空家等対策の推進に関する特別措置法」制定の動きが活発化してきました。その概要を見ると、倒壊等著しく保安上危険となるおそれのあるなどの「特定空家等」に対する措置として「特定空家等に対しては、除却、修繕、立木竹の伐採等の指導・助言、勧告、命令が可能。さらに、要件が緩和された行政代執行の方法により強制執行が可能」(14条)となっています。

私が今年の第1回定例会で質問した時は、当時の臨時国会でこの議員立法の提出が見送られたことを受け、「国の条例化が遅れる場合、中野区としても、他の自治体のように、区独自の罰則を含んだ条例制定も視野に入れて空き家対策に取り組むべきだ」と主張し、区も検討していくと答えました。

今年5月、大田区では条例に基づき、空き家を強制撤去する行政代執行に都内で初めて踏み切りました。一方、墨田区なども行政代執行を含む条例を施行しましたが、現在、執行の予定はありません。

前に挙げた税制上の問題など、解決しなければならない課題もありますが、先ずは民家の敷地内に入り、実態調査が可能となる予算と条例化が必要と思います。今後とも中野区独自の適正な条例制定に向けてベストを尽くすつもりでおります。そして同時に予測できない震災に備えて、地域の特性に合った、安心して住み続けられるまちづくりに邁進してまいります。