区長選の投票率はなぜ低いのか・・・

中野区の区長選は現役区長の田中大輔氏(62)が新人2人を退け、4選を果たしました(6月9日)。

今回の投票率は過去3番目に低い29.49%。これは当日の有権者259,862人のうち76,632人が投票したことになります。数字の上の話ですが、田中氏の得票数30,751は全投票数の40.12%、全有権者数の11.83%となります。

中野区の区長選投票率の推移をみると、昭和58年を最後に50%を切り、平成6年の無投票選挙を経て劇的に低下、10年25.21%、14年田中氏が初めて立候補した選挙で33.42%と少しは盛り返したものの、18年27.73%、前回22年は30.28%、今回が29.49%とおおよそ30%前後で推移しています。

なぜこれほどまでに低いのか? 例えば都知事選の投票率、平成23年56.51%、24年61.80%、26年46.70%、また区議選の投票率、平成15年40.48%、19年41.71%、23年40.22%と比較しても、区長選はあまり関心のない選挙ということになります。

ところで、区民は区民税を払っています。そのお金で(もちろん全部が全部ではありませんが)道路、福祉、保育所、ゴミ収集などの行政サービスを享受しているわけです。しかし「東京都民」としての実感はあっても「中野区民」としての実感はないのでしょうか。誰が区長になってもあまり変わりない、行政に「おまかせ」しておけばいいというのは考えものです。

今回の選挙では多選問題も焦点の一つになりました。

他候補は田中区長の多選ばかりを批判して、堂々と自らの政策を訴えることをしなかった。訴えたにしても財政の裏付けのない政策だった。このことがかえって選挙の争点をぼかし、有権者の投票離れを招いたような気がしてなりません。

日本の地方公共団体では首長の権限が極めて強く、首長が政策立案から実施に至るまで一手に行い、さらに多選をくりかえすと、首長の専制化、独裁化が起こりやすいとの批判があります。その一方で、参政権に対する問題として、憲法・民主制の原則に反します。立候補者が何歳であろうと歳とは関係なく、私はその人の質の問題であると思っています。さらに何回の当選をもって多選とするか線引きが難しいことが挙げられます。

中野区の場合、はたして多選の弊害がでるのか。これこそ、二元立法制の真意が問われるわけです。

そういう意味においても、今後ますます議会の役割は重大になると思います。議会が首長を厳しく管理・監督することもその一つです。予算の決定権を握るのは区長ですが、議員として是々非々で臨むべきです。これは多選であろうとなかろうとそれに変わりはありません。同時に行政をチェックするのも区民の皆さん一人一人なのです。区長選はその意思表示をする絶好の機会ではないでしょうか。区政にもっと関心を持っていただきたいというのが私の想うことでもあります。