手と手をつないでしっかり生きる

平成26年1月:私の想うこと

明けましておめでとうございます。

本年も倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

さて、昨年12月12日、今年の漢字に「輪」が選ばれました。毎年その字を大きな和紙にしたためる清水寺の森貫主は「オリンピックが日本に誘致されたという思いが輪になったんだろうと思います。輪という字には大勢の方々が加わって円滑に回転して行くという意味が込められています」と述べています。

事実、「2020年東京五輪・パラリンピック決定」は在京の新聞・通信8社の社会部長が選ぶ今年の十大ニュース(12月16日発表)で「秘密保護法成立」に次いで2位に入りました。(ちなみに3位以下は順に「異常気象相次ぐ」「徳州会事件摘発」「参院選で安倍自民大勝」「福島原発の汚染水問題など震災の影響なお深刻」など)

東京五輪開催は確かに朗報ですが、私としては五輪の「輪」より、約27万8千人の人達が未だに避難生活を余儀なくされている東日本大震災からの復興の「輪」にもっと思いを込めたいというのが偽らざるところです。

日本の政治・経済が集中し繁栄する東京と疲弊(ひへい)する地方の格差は益々広がっています。しかし、その東京で暮らす私達にとって「避難生活」は無縁のものでしょうか。2012年4月に東京都防災会議地震部会が公表した首都直下地震の被害想定によれば、避難人口は中野区だけで76,807人(避難生活者数49,925、疎開者人口26,883。小数点以下四捨五入により合計値は合わない)に達します。私が復興の「輪」にもっと思いを込めたいと記したのは被災者が決して他人事でないからです。

昨年6月、JR釜石駅前に劇作家井上ひさしさんが作詞した釜石小学校の校歌を刻んだ石碑が設置されました。「いきいき生きる」で始まる校歌は「しっかりつかむ しっかりつかむ まことの智恵をしっかりつかむ 困ったときは 手を出して ともだちの手を しっかりつかむ 手と手をつないで しっかり生きる」で結ばれています。石碑の設置は多くの被災者の胸に深く刻まれたこの校歌を復興のシンボルとして残そうということから生まれたそうです。

「手と手をつないで しっかり生きる」ことこそ私達が忘れてはならないことだと思います。

今年もどうか良き年でありますように心よりお祈りいたします。